2つのライラック

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和室に通されると雄飛のお父様と小ちゃな男の子が座っていた。 男の子が雄飛を見るなり飛びついてきた 「おー!海斗久しぶりだ!また大っきくなったんじゃないか?」 和室から斜めに見えるリビングには雄飛の弟さんご夫婦がソファーに腰掛けていた。 「海斗おいで!」弟さんが呼ぶと可愛く駆けていった。 オロオロしている私に雄飛の弟さんが 「こんにちは!この家はそんなに緊張するとこじゃないよ気楽に!ちゃんとした挨拶は後でね」 と柔らかい笑顔が雄飛そっくりだ。 初めてお会いするご両親はとても気さくな方で安心した。 お父様は、熱いお茶をひと口飲むと、 「雄飛、一緒に住むって事は男の責任はきちんと考えての事だな?」 「はい。もちろん決していい加減な気持ちはないよ」 私の両親にも答えてくれた様に自分の両親にも同じように返事をする雄飛。 「みな実さんのご両親もきっと大切にみな実さんを育てて来られたと思う。決していい加減なことはするなよ」 そう念を押すように少し強い口調で言った。 優しい眼差しを私に向けて下さるご両親。今日、初めて会う私の事を快く思って下さっている事が分かった。
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