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お母様が玄関先から一緒に入って来た人はひと目でゆき代おばあちゃまだと分かった。
ゆき代おばあちゃまはみんなに挨拶をすると、真っ直ぐ私の所にやってきて、
「小百合ちゃんのお孫さんの みな実ちゃんね?」
「はい。櫻井 みな実です」
おばあちゃまに伝えたいことは山ほどあったのに、姿を見ると胸が一杯になって話せなくなった。
そんな私のことを背中をとんとんして
「小百合ちゃんのお孫さんだったなんて。嬉しくてみな実ちゃんに早く会いたかったわ。
雄ちゃんと出会ってくれて、雄ちゃんの所に来てくれてありがとう。ありがとう」
と言って喜んでくれた。
私達の出逢いをみんなが喜んでくれた。
結局この日はお夕飯も頂くことになって、早く切り上げようと言っていた雄飛の計画はあっさり崩れた。
私も引っ越しの疲れなんて吹っ飛んでしまうくらい楽しくて雄飛のご家族からは雄飛の幼少の頃のお話しが たくさん聞けて、
ゆき代おばあちゃまからは私の祖母の事や私が生まれた時に雄飛と来てくださった時のお話しも聞けた。
来た時の緊張なんてとっくになくて、久しぶりに時間を忘れて過ごした。
それくらい時岡家の人達は私を優しく迎えてくれた。
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