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女子会から数日経った日
「さーくーらーい」
別部署に書類を届けに行く為に移動していると岡野さんに呼び止められた。
「最近どうしたの?飲み会に来ないじゃんか?雄飛とケンカでもした?」
「ふふ、ケンカって。至って普通ですよ。時岡課長とは普通に仕事してます」
「上司と部下の仲ですって言いたいんでしょ?」
「えっ!」
「図星!ちょっと話を聞いたげるから今日、いつものワインバーで待ってるよ」
じゃ!と言って私の返事を聞かずヒラヒラと手を振って行ってしまった。
その日の帰り1時間程の時間外を終えて、席を立つと同時に時岡課長も席を立った。
「あ、時岡課長も帰られますか?」
「あー、うん何か用事でもあったか?」
「いえ」
そう答えて帰り仕度を始めた。
最近、時岡課長のお誘いを断っているのに岡野さんと待ち合わせをしている自分に何だか後ろめたさを感じた。
時岡課長と同じ時間にエントランスを出る事を避けようと思って私はお手洗いに寄った。
夕方の休憩時間に軽く化粧直しは済ませたから特にする必要もないのに化粧ポーチを出してリップを引いた。
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