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「眠れないの?」
寝室のドアが静かに開いて照明が間接照明に切り替えられた。
ベットの上でゴロゴロする私を見て優しく微笑んだ雄飛はいつも通り私の横に入ってくる。
「まだ不安な事があるなら聞くからちゃんと言って」
「もぅ何もない」
「ほんと?」
「ほんと」
「うん。ならいい」
鼻と鼻をコツンとすり合わせた。
「それ、良く似合ってる」
「肌触りが良くてモコモコ。あったかいの」
「そう。それは良かった、みな実のイメージにぴったりだ可愛いよ」
そう言うと、いつも通りに私を引き寄せて
長い髪の毛を何度も撫でる。
「…ごめんね。すっかりお酒抜けちゃったね。楽しい飲み会だったのに。私がグズグズ言うから」
「ごめんとか言わないの。
才木が色々と聞きたがるから。
でもみな実と話せて良かったよ。
みな実が知った時はきちんと話さないといけないかな?とも思ってたからね」
私が不安にならないようにいつも私の気持ちを考えてくれる優しい人。
「それより明日どこかに出かけようか」
突然な雄飛の提案。
「んー、今週お仕事忙しかったでしょ。
だから明日はお家で過ごさない?」
「いいのか?天気も良さそうだぞ?俺の事なら心配しなくていいぞ、行きたい所たくさんあるだろ?」
「うん。お家がいいの。家だとずっと雄飛とイチャイチャできるでしょ。雄飛と一緒ならどこだっていい」
雄飛はいつも優しい。
今日だって飲み会の席で雄飛と高山さんの事を聞いて、きっとこのまま1人で家に帰ってしまってたらうじうじと考えて朝まで眠れなかったかもしれない。
私が閉じこもりそうになると、いつも手を引いて気持ちを引っ張ってくれる。
以前みたいに何日も気持ちが沈むこともなくなって少しずつ物事を前向きに考えられるようになった。
私は雄飛と付き合ってから随分と考え方が変わった気がする。
ペタッと雄飛にくっついて手を背中に回して胸におでこをくっつけた。
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