距離
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距離

リョウと付き合って3ヶ月が過ぎた頃ちょっとした言い争いになった。 ある日曜日 練習が終わってお昼からはお休みだった。久しぶりの半日休みでリョウとデートの約束をしていた。 一度家に帰って支度が出来そうな時間を決めてリョウが迎えに来てきてくれることになった。 いつものように家の前まで送ってもらって また後でね、と手を振った。 私は急いでシャワーを浴びて決めていた洋服に着替え髪の毛をセットした。 支度ができて暫くするとインターフォンが鳴った。 「はーい!すぐ出るね。」 時間ピッタリにリョウはいつもやってくる。 急いで靴を履いて鍵を閉めた。 「おまたせ!」 「うん。」 いつもの笑顔がないけど私は気にせず話しかけた。 時々ある一方通行のお喋り。 この日は水族館に行く約束だ。 私は水族館が大好きでちょっとはしゃいでいた。 イルカショーをみてはキャッキャと笑い、ペンギンを見て可愛いー!と歩き方の真似っこをしたり、クラゲの水槽の前では何分も立ち止まった。 「ゆっくり回ったからこんな時間になっちゃったね。 リョウ?楽しかった?」 「うん」 「そう。良かった。」 リョウの態度が気になっていたけど敢えて私は普段通りに接した。 「ご飯でも食べに行く?」 「うん」 「何が食べたい?」 「みなみの好きなものでいいよ。 その前ににちょっと海辺へ行こう。」 水族館のすぐ近くの海辺に手を繋いで歩いて行き砂浜に腰を下ろした。 目を瞑って波の音をきいた。 「波の音、好きなの。」 急にリョウが腰を持って自分の方に寄せたので私の体はリョウの方に傾いた。
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