2人の気持ち

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2人の気持ち

 マネージャーになってから学校に行くのが楽しくなった。 私を誘ってくれた千紗先輩も優しくて、部員のみんなも楽しくて何だか自分の居場所を見つけたみたいだった。  大学に入学してから始めた一人暮らしや学校にも慣れた頃、休日は野球部のメンバーと遊びに行ったりもするようになった。  この日もリョウくんと部員の優くんと3人で映画を観に行った。 帰りにご飯を食べて楽しい話をたくさんして楽しい時間を過ごした。 「じゃあ、俺こっちだから!」 大きく右手を上げてブンブン振ってバイバイしながら私達と反対の方向に足を向けた優くん。 私とリョウくんも 「楽しかったよー!また明日ねー!」 私は両手を上げて、リョウくんは顔の前まで手を上げた。 クルッと優くんと反対に背を向けたと同時に 「あーっ!!」 大きな声が聞こえたのでリョウくんと優くんの方に振り返った。 人差し指をピンとリョウくんの方に向けて 「リョウ!みな実ちゃんをちゃんと送り届けろよ! 送り届けるだけだからな!」 ニヤッと笑ったリョウくんが 「おう!分かってるって!」 そう言うと帰る方に歩いて行ったので私は、もう一度、優くんに今度は手振りだけでバイバイをしてリョウくんの後を追いかけた。
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