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「はーっ」
「大丈夫ね、いってらっしゃい」
背中をトンッと押される、気合いを入れて、気持ちを入れて。
舞台に向かう、私のラスト舞台に。
顔は真っ白で私の素顔は誰も知らない、だから私がこの名門の家の子供だとみんな知らない。
「お疲れ様です」
「お疲れ様、良かったよ」
お色直しをして最後の挨拶をして無事に今日も終わる。
そして、私の弟は私を無視しながら家に帰る。
「陽葵今日も良かった、それだというのに秋穂ーっお前は」
「ーっっ、ごめんなさいごめんなさい」
「貴方、陽葵ちゃんは部屋に連れていくわね」
ぎゅっと陽葵の手を引き部屋に向かう。
私は軽く内心溜め息を付く、又母の嘆きの時間が来るのだろう。
「ーっっ男の子に産んであげられなくって、ごめんなさいーっ」
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