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「……お母様……私は大丈夫……ねぇお母様私……幸せよ、私少しでも歌舞が出来たのだもの」
「ーっっ陽葵ちゃん」
疲れて寝てしまった母に私は溜め息を付き、ランドセルを開けて親友に貰った一枚の紙に目を向ける。
「……私が……男の子ならって……私は私よ」
ぎゅっとペンを握り、書き込む。
私の名前近衛陽葵では不味い、私の名前は顔が出ない変わりに名前だけは知られているから。
「……お祖父様お願いがあるの」
私はスマホで祖父に電話をする、祖父達も歌舞役者で人間国宝に名前がある偉大な方。
「……ええっ、こちらのお祖父様ではダメなの、そう旧姓が欲しいの」
私は母の実家の名前を書く、私の名前は鷹司(たかつかさ)になる。
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