四男・冬真

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「面白かったねー!」 「そうか?俺は趣味じゃなかったな」 映画の後、ファストフード店でハンバーガーを食べていた。冬真はいつも少し気怠そうにしていて、今日も頬杖をついてポテトを1本ずつ食べている。 「…何だよ。そんなに格好良いか?」 ジッ、と見てしまっていたからか、悪戯っぽい笑みを浮かべながら尋ねられた。 「…うーん、どうなんだろ」 ズルズルとコーラを啜ると、「汚ねえな」と嫌な顔をされた。「それでも女かよ」と罵られる。 「ね、私達、みんなに何て言われてるか知ってる?」 「あー、何となく」 「…どう思う?」 「どうって、」 少し困惑する冬真。少し考えてから、言った。 ーーーお前が望むなら、付き合ってやっても良いけど? 驚きすぎて、咥えていたポテトが、ポトリと落ちた。目をパチパチすると、ニヤリと微笑われる。 「冗談だよ、サル。本気にすんな」 「び、びっくりしたあ!やめてよ、そう言うの!」 「そもそも、お前が付き合いたいなんて思ってねーだろ、」 「そ、そうなんだけど…」 少し、心拍数が上がった気がした。顔も赤い気がする。何となく変な沈黙が続いて、気まずい。冬真も黙ってメロンソーダを飲んでいた。 なんだこれ。私が冬真を好きみたいじゃないか。
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