2人が本棚に入れています
本棚に追加
ロイネちゃんと金髪少女は両腕をあげ、とうっとばかりに地面を蹴ると、青空に向かって飛んで行ってしまった。空を見上げ、指をさし、喚きながら地団駄踏むノリタケに、いちごちゃんは冷たい視線を送った。
「ノリタケ君……音色ちゃんの影響受けてるみたいだね……」
「えっ」
その言葉でノリタケは我に返った。いちごちゃんが向けてくる視線は、いつも音色ちゃんがなにかしでかしたときに向けられているものと同じだった。
「ロイネちゃんは体を張って助けてくれたのに。ひどいよ」
「いや、そうなんだけどね、いちごちゃん」
「ノリタケ君、音色ちゃんと一緒にいない方が、いいんじゃないかなあ」
いちごちゃんはそう言うと、さっと踵を返してしまった。
「えええ、待って、いちごちゃん!」
いちごちゃんに嫌われるのは痛くもなんともないが、自分のせいで今またいちごちゃんの中での音色ちゃんへの評価が下がったらしい。それは、非常に、まずい!
「待って、待っていちごちゃん!」
慌てていちごちゃんに追いすがろうとしたが、さっきひし形人間に向かって走ったのと怒鳴り散らしたせいで体力を使い果たしたらしい。ノリタケは座り込んだ。いちごちゃんは気づかずに行ってしまう。
「いちごちゃん……」
と、背後でがさり、と音がした。ノリタケが恐る恐る振り返ると、音色ちゃんが呆れたような顔をしていた。
「暴れるからだ、馬鹿」
なんで暴れたことを知ってるんだろうと思ったが、音色ちゃんが差し出した手を、ノリタケはほっとしながら握った。空いてる手ですかさずスカートをめくったら、目に映ったのは短パンで、肩のあたりに膝が入った。ああ、やっぱり音色ちゃんがナンバーワン!!
最初のコメントを投稿しよう!