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SNSの通知から出たこの内容と何通の電話通知が出ていた。
「今、どこって……」
私は目の前を見る。そこにいたはずの二人はいなくて黒い本二つだけがそこにあった。そして静まり返る部屋に何かを引きずる物音。周りを見ると先程の話と同じように図書室にあったはずであろう本は黒一色になり、私を目がけて黒い服を着た髪を垂らした人々が迫ってくる。扉を開けたいのに腰が抜けてしまい、体が動かなかった。
その時だった。後ろから腕を誰かに掴まれて扉の外に出ては柔らかい肌に顔を埋めていた。
「大丈夫だよ、由香。安心して」
「一人にしてごめんね」
そこにいたのは私の友達の二人だった。私は友達の胸に顔を伏せて泣いて頭を撫でられているのだった。そして泣き終えた私が見た図書室は何一つ普段と変わりのない部屋だった。
その後、一冊の『黒い本』から始まったこの怪談がどうなったかは分からないが、私は今でも彼女たちと仲良く過ごしている。
(完)
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