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土曜日の夜に学校の事務方から電話が来るのは、よほど急を要する時か、何か異常事態が起きた時だ。
心理学専攻の准教授である広瀬玲奈の元に大学の事務から連絡が入ったのは、土曜日、遅めの夕食を終えて自宅で仕事をしている時だった。
「広瀬先生にはなるべく早く一報を入れておいた方が良いと思いましてーー」
そう前置きをして事務方のトップが話したのは、玲奈を、常日頃から頭を痛めさせる要因、諸悪の根源、神谷教授の事だった。
「現場を押さえる事が出来ました」
「そうなんですか! それはよかった」
驚きと共に心の奥底から安堵が溢れ、感情が素直に溢れた。
玲奈の反応に事務の者も「そうなんですよ」と同調する。
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