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「これから余罪諸々を追求していきます。被害にあった子達を泣き寝入りさせないようにしたいと思っております」
「そうして頂けると助かりますわ。でも、とてもセンシティブな事なので、あまり刺激しないよう彼女達の事は私の方で慎重に進めさせてもらいますね」
「ああもうそれは勿論です。ここまで被害を大きくしてしまったのは大学側の責任でもありますので、彼女達のケアに関しても多いに協力させてもらいます」
神谷の毒牙に掛かった女子学生達のカウンセリングをしてきた玲奈は事務の者の言葉に安心し「お願いしますね」と言い、目を閉じ深呼吸した。
神谷は抜け目のない男だった。
当事者である事は明白だったのに、証拠になるものは一切残さない。
狙う学生は大人しい子ばかり。
被害に遭っても訴え出る子など殆どいなかった。
稀に被害を訴える子がいたとしても、神谷は狡猾な言い逃れをし、文系学部教授会を掌握する絶大な権力を持って全てを揉み消してきた。
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