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事務方側としては、大学経営にも関わる事態と重く見ていたのだが、〝現行犯〟で取り押さえなければ根源を断つ事は出来ないと頭を悩ませていたのだ。
玲奈はずっと、被害者の女子学生のケアをしながらも、事の成り行きを遠巻きに、関わらないよう見続けてきた。
関わりたくは無かったのだ。
神谷とは決して。
出来る事なら、顔も見たくない。
躰の芯に蘇る感覚に玲奈は目眩を覚える。
過呼吸の発作が起こらないよう、胸を押さえゆっくりと深呼吸した。
思い出したくないのに、決して忘れられない過去は玲奈の深淵に仄暗い闇を作っていた。
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