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「またレスリーさんのお宅のレティちゃんですよ! もう今月に入って何度目だと思います? ファットキャットは首輪が出来ない精霊ですから、追尾用タグを耳に装着するかGPSチップを皮膚の中に入れて下さいと散々口で説明もしましたし、お手紙も書きました!(三通もです!) それにGPSチップを安価に入れてくれる精霊医のパンフレットも送りましたし。でも二日前(もしかしたら三日前かもしれません、寝てないんで記憶が曖昧ですが)に、レスリーさんから連絡があって、ゲージに入れようとしたら逃げ出した、って言うんですよ? あんなでかい猫にゲージを作るくらいなら小屋を造ればいいのに! 挙げ句僕が森を二日も三日も駆けずり回ってやっとのこと探し出したら、これですよ! 見て下さい!(ブランドはシャツを引っ張って胸元の汚れをよく見えるようにレオナルドに指し示した)僕を脂まみれにしてあのファットキャットはま
た森に駆けだしていきました! レスリーさんは毎日何回も未だ見つからないのかって催促の電話を掛けてきます! もううんざりですよ!」
「ブランド君、親愛なる精霊を侮辱してはいけない。それはそうと三日も戻ってこないとは彼女も思春期かしら。」
ブランドが姦しく不満を喚き散らしてもレオナルドはブランドの喚き様に面白味を見出したかのように終始微笑みを絶やさずに居たが、件のファットキャット・レディレティのこととなると珍しく眉間に皺を寄せ何か思案するような顔を見せた。
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