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(嘘じゃないよ、ぱりゅ。私の心のなかにはずっと貴女が居たんだ)
「ママ、ゆいばあちゃん、起きないんだよ」
「ダメよ、ゆっくん。おばあちゃんお昼寝の時間なんだから」
「だって、アキバ48のお話の途中だったんだよ」
「へ~、ゆっくん秋葉48知ってんだ」
「うん、ゆいばあちゃんが作ったんでしょ、アキバ48」
「う~ん、ちょっと違うかな」
今朝の思わぬ知らせが彼女に久々の秋葉を語らせたのだろうか。
大人同士なら話せなくてもこの子になら自分の今の気持ちを素直に吐露できたのかもしれない。
(こんな、ちっちゃな子に話してたのね、あの人の事を)
「ねぇ、ママ、ぱりゅりゅって、どんな人?」
そう、今は白咲はるかの事を誰も知らない。
平成の世、ゆとり世代と呼ばれた時代の寵児を今は誰も知らなかった。
「そうね・・・綺麗でフランス人形のように可愛いい人よ。
それで強い心を持った人、ずっと強い心持ち続けた人
秋葉では一番にはなれなかったんだけどね」
「ふーん、でもそんなきれいで強いのに、なんで一番になれなかったの?」
「優しかったのよ、ぱるるさんは。お友達だけじゃなく、自分に対してもね。
チャンスが近づくと,フッと目をそらしちゃうの。
みんなと見ているものがいつも違ってたのよね、彼女は。
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