だからやるんじゃない

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結果、二人とも目標の順位には届かず、彼女の歌声も聞けず、私たちの声は新潟の夜空を揺らすことはなかった。それでもぱるるは泣いていた。泣いて笑っていた。これが選挙での最後の九期。ひとつになれた確かな実感が彼女にはあったのだろう。ぱるるが初めて私たちに見せたうれし泣き。 悲しい時には泣いても嬉しい時には決して泣くことのないぱるるだったのに。 だから、明日はぱりゅをみんなで送る。 あの時歌えなかった歌を秋葉の同期の九期のみんなで。 あの日ぱりゅが歌いたかった歌はいまだにわからない。 とりあえず、それを、明日みんなに聞いてみることにする。島田ならわかるかもしれない。万里子はちょっとぼけたけど、ぱるるのことなら思い出すかもしれない。 まりやぎ、みなるん、鈴蘭、みゆ、分らなければ、みんなが好きな歌を唄っていけばいい。 きっと、どれかがぱりゅの大好きな歌。そうに違いない。 時間はたっぷりある。私たちが唄い終えるまで、ぱりゅは天国に行くことはない。 なぜかそんな気がする。     
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