第1章

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翌日10月3日 MRI検査。 昨日 「無理やり検査入れてもらうから、11:30って予約票には出ますが検査は12:00頃になると思います。」 と、言われたので、11時20分に受付に行く。 受付の看護婦さんは 「聞いてると思いますが、先生が緊急で検査を入れたので、ビビさんは予約患者さんの一番後になります。12時頃ですので、お名前を呼ばれるまでお待ち下さい。あ、問診票も書いてください。」 と、冷たく言った。 昨日と同じ事を言われてるのだが、ニュアンス的になんか嫌だ。 長椅子に座り、問診票を書いて提出する。 受付の看護婦さんは変わっていた。 問診票にざっと目を通し 「MRIは初めてではないですね?だいたいの検査の仕方は同じですので、このパンフレットを読んでお待ち下さい。分からないことは聞いてくださいね。」 さっきとは違って親切な対応だった。 MRI ・大きな音がします。 ・途中で造影剤を注入します。 ・息を吸ったり吐いたり止めたり指示が出ますので、指示通りに呼吸してください。 ・指示がない間も規則的に呼吸するよう心がけて下さい。 MRIは診察台ごと筒みたいな中に入っていって、電磁波を当てて撮影する。 以前受けたC総合病院のMRIは本当に密室というか、ちょっと嫌だけど火葬場みたいなイメージだった気がする。 ヘッドホンを付けて横たわり、本当に狭い筒の中に入り、ぴっちり蓋をされ、ヘッドホンから指示が出る。 小学生の子供が嫌がって泣いて反抗していた。 閉所恐怖症でない大人の私でもちょっと嫌だったなぁ。 なんて考えてると、1人の男性に看護婦さんがずっとついて話をしている。 どうやら閉所恐怖症みたいで、文庫本なら持って入っても大丈夫と言われていたが、あんな狭くてガーガーいう騒音の中で文庫本は読めるのだろうか? お守りみたいに持ってくだけなんだろうけど。 看護婦さんが去っても、男性はソワソワして、本を開いたり閉じたりしていた。 男性は名前を呼ばれ、看護婦さんが支えるようにMRI室に向かった。 なんだか気の毒だった。
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