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レディースクリニックの待合室に着く。
テレビではイモトさんが、アムロちゃんとのサプライズ対談番組の再放送が流れていた。
イモトさんは相変わらず真剣なのに面白く、クスクス笑いながら見ていたが、最後にアムロちゃんと対談したときはもらい泣きしてしまった。
そのタイミングで
「お待たせしました。
ビビさん中にお入り下さい。」
慌てて涙を拭き、診察室に入る。
レディースクリニックの先生(女医さん)は
「急にお呼び立てしてすみません。
前回の検査結果がでまして…。」
1枚の紙を出すが、英語や数字ばかりで分からない。
「あの…申し上げてよろしいですか?
…あの…癌がですね…出まして…。」
紙には英語や記号が書いてあり【G1】だけが目に入る。
「このクリニックでは癌の進行具合が分からないので、総合病院に行って検査して…多分、手術した方が良いと思います。
紹介状を書きますので、C総合病院でよろしいでしょうか?
いい先生が居るのですよ。」
先生が問いかける。
「すみません…C総合病院はちょっとごめんなさい。
地元病院なので、スタッフにお客様も多いし、知り合いも多いので。
S総合病院を紹介していただけませんか?」
先生を見る。
「S総合病院は、かなり混んでますので、1ヶ月くらい先になりますよ?」
先生は一生懸命話すが、気持ちは変わらない。
「私、小さいときの病気も、2年前の眼の時もS総合病院で奇跡的に助けて頂いてるので、今回も是非S総合病院でお願いしたいです。
ただ、緊急を要しC総合病院で早く診て頂けるならC総合病院に…」
まで言い掛けると、先生は手で話を遮り
「分かりました。そこまでおっしゃるなら、週明けにすぐS総合病院に事情を話し、予約をねじ込んで貰います!
必ず受診してくださいね!」
(必ず受診するに決まってるじゃん!)
と、思いながら
「お願いします。」
と、頭を下げた。
「分かりました。また連絡致します。お大事にして下さい。」
先生はカルテにペンを走らせる。
私は立ち上がり
「先生、癌を見つけていただいてありがとうございます。」
深々と頭を下げた。
先生は驚いたようにペンを置きこちらを向き
「いえいえそんな!
お気をつけてお帰り下さいね!!」
先生は最後まで申し訳なさそうでした。
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