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僕のすぐ側でまるで拡声器でも使ったみたいな怒声が聴こえた。
僕が幼ければきっと漏らしているだろう。もちろん、小さい方を。
「それであなたは誰で。一体ここで何をしていたのですか」
僕は至って冷静にその声の主を見上げて質問した。
「わたし生まれて初めて無言で腰を抜かす人を見た気がします。今までわたしを何度も無視し続けた報いですね」
こういうのを高飛車な態度と言うんだっけ、あまり僕はこういうタイプの女性は苦手だ。
「すみません。質問に答えてください。それに僕は何度も無視はしていません、たった一度だけです。そこは訂正してください。あとできれば手を貸してください。自力で立ち上がれそうにありません」
「たった一度……?あなた失礼な方ですね。私が何度も、いえ、30回もあなたに助けを求めていたのに!」
訳のわからない事を言ってキレてくる。どうして、女性というのはこう論理的ではないのか。
はぁ……、と僕がため息をついたと同時に風が吹いた、
その風は見事に僕の目の前で高飛車な態度で仁王立ちしている彼女の膝上ギリギリのスカートを捲りあげた。僕は紳士なので敢えて詳しく言わないがそれはパンツ丸見えだった。
「なっ……!!!」
一瞬、恥ずかしそうな声が漏れたと思いきや、僕の顔面を学校指定の革靴で踏んでいる彼女の姿がそこにあった。
「痛い。何も見ていない。僕はちょうど目にゴミが入って何も見ていない。なのでこの足をどけてほしい。そういう趣味はないし、学校に遅れます」
「なんで、だれにでもばれる嘘ついてるの!?変態!早く死んでよ!」
ひどい。なんてひどい女性なのだろう。初対面だぞ。僕はとてもこの人が嫌いだ。
いや大嫌いになった。たった今。あまり意地悪は言いたくないが仕方ない。
「そうですか。まあ、さっきは見ていないのですが絶景ですね。黒ですか、攻めますね。いやまあ、僕は好きですよ。黒のパンツ」
「――――!」
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