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こう見えてってどうみても天職じゃないですか、もうあなたのことはナースさんにしかみえませんよ。これから勝手に天使と呼ばせてもらいます。 「僕は桜。海原 桜です。一年生で転入生です!えーと夢は世界平和です!」 これもいつもの鉄板である。特に印象の良い人にだけするものだ。 「あはは。桜くんね。あーやっぱり転入生なんだー。見たこと無いからそうじゃないかなーって思ってたんだよね!海原 桜くんね、うん。覚えた。それにしても海原なのに桜なんだね、不思議!でも桜っていい名前だね、私は好きだなその名前」 ありがとう。いい笑顔です。それだけで僕はいつの間にか顔面の痛みが消えていた。 さすが、天使。時間経過で痛みが引いただけでは?そんな野暮なことは考えない。 朝露さんのこの笑顔が僕の痛みを癒やしたのだ。 「ありがとう。それしかもう言葉が出てこないよ……朝露さん」 「あ、ごめん。人の名前なのに変とか言っちゃって。傷ついた?」 なんなんだこの子。天使マジ天使。そんな気遣い要らないよ。 「大丈夫。慣れてるし、笑ってくれる方が僕の名前も報われるよ」 「なんかよくわからないけど、いい名前だと思うよ。本当に。桜くんって呼んでもいいかな?」 「えっ」 「あ、嫌だった?私、仲良くなりたい人とは名字じゃなくて名前で呼ぶようにしてるんだけど……」 「いえ、むしろ呼んでください!」 「わかった!これからよろしくね、桜くん!私のことも名前でいいよ!」 朝露さんに握手を求められた。もちろん、握手する。 それにしてもどうしよう、もっとこの時間を過ごしたい。尊い。 どうにかして会話をつなげようと僕が考えていると朝露さんが思い出したかのように言い放つ。 「あっ、いけない!そろそろ学校に行かないと!」 なんだと学校、ぶち殺すぞ!という感情が湧き上がる……が学校に行かないといけないのは僕も同じであることを忘れていた。 スマホで時刻を確認しようとしたが、スマホが何故かつかない。 「あれ電源つかない。ごめん、朝露さん、今何時?」 「え?えーとね。八時十三分だね。あと2分で遅刻だよ!それじゃあ、またね!桜くん!」 そういって朝露さんは走っていった。
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