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僕も急がないと、というかあと2分しかないとか無理では?
うるせえ!走るんだ僕!無理やり僕は体を動かして走り出した。
頭の中のデジタルなタイムリミットが再び刻み始めた。
そしてほどなくして僕は雑木林を抜けたのだった。
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それは山であった。
この豊満な胸は山としか、表現できない。
つい先刻、僕は天使と悪魔に運命的に出会った林を抜けた。
あの悪魔とは運命的なものは感じていないが。
そもそもあの悪魔のような女の子とは朝露さんとの神秘的な出会いによって忘れていたのだがどういうことかそれがフラッシュバックする出来事に僕はたった今、遭遇してしまったのだった。それも絶賛継続中である。一言で伝えるなら通学途中の巨乳の女の子と林を抜けた時に偶然ぶつかり、たまたま押し倒してる形になっているのだった。
「んん~」
山が眠そうな口調で言う。実は寝ぼけてて、状況がわかってないとかないですかね。
ないですよね。いや、あってください。
「あ、あの」
「んあっ!!?」
山が驚いたように跳ねた。僕はじっと次のセリフを待つ。
「……………。…………!虹!」
虹?僕は視線と山から空へと移した。本当だ。虹だ。
あれ、雨でも降ってたのか?
「わーあ、虹だ。虹だねえ……」
そう言うと彼女はスマホで撮影し始めた。虹を。
「うん。綺麗に撮れた。あれ……君誰?」
ようやく僕は気が付かれた。めっちゃ連写してたけどそんなにいる?
「あの、えっとですね。これは……」
どうしよう。こんなことならさっさと離れておくんだった。でも彼女の山から視線が外せなくて動けなかったとか、動けなかったとかあってもいいよね。
「あー。君」
僕は固唾を飲んだ。僕の人生はここで終わるかもしれないと。
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