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「それにしても今回の虹はすっごくきれい。なんか運命感じちゃうかも。もしかして君、百合の王子様?なんてね」 はは、見ず知らずの女の子を押し倒す王子様がいるならそんなの喜劇だよ。 まあ偶然の事故なんだけどな。 「あー!また百合遅刻だー。まあ、いつものことだけどー」 僕はそれを聞いて、スマホの時間を確認する。時刻は八時二十分。 終わり。おわ終わり。遅刻確定である。 転入初日に遅刻するというなんとも情けない運命が決まった瞬間であった。 「転入初日に遅刻とかまじかよ」 「あー君、転入生かー!通りで見たことない顔だとおもったー。でも百合って人の顔覚えるの苦手なんだよねーあはは」 「そうです。僕が転入初日に遅刻する愚か者です」 「あー、そういうの気にするタイプ?百合なんて中学の時も遅刻ばっかりだったよ~」 「虹でも追っかけてたんですか?」 「えー!なんでわかるの?もしかして君ってエスパー?」 そんなの話を聞いてればだいたいわかりますよ。 そんなことよりあなたは今、押し倒されてる状況を気にしてください。 「まあそんなところですかね。それより学校へ行きましょう、虹島さん」 「あーそうだね。海原っち、行こっか」 なにやらにやにやしながら虹島さんは相槌を打った。なんか今、海原っちって言われた?
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