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B ごめん、遅くなった。
A 私も今、来たとこ
カメラから目を離して振り向いた彼女。髪の毛、コートにも雪が。今来たところじゃないのがわかる。そう言ってくれる彼女の優しさ。笑顔が眩しい。細い目がさらに、極細筆で一筆書きされた、糸のようになってる。
A どうしたの?目が開いてないよ
B ああ、ちょっと
君の笑顔が眩しいからだよ。なんて、キザなセリフが似合うイケメンではない。優しくて、美少女アニメキャラのような彼女が、なぜ僕と付き合ってくれるのか。今だににわからない。
B 神城神社の奥にこんなとこがあったんだ。
A 一本桜の可憐な感じと、この周囲の木々が神秘的で大好きなの。
B 良い写真撮れそうだね
(もっと気の利いた事言いたいのに。君の方が神レベルに綺麗だよなんてね)
突然、強い風雪が二人の間をすり抜けた。
A きゃっ
B あっ大丈夫、おっとと
彼女を支えようと一歩足を踏み出したら、石につまづいてプールにダイブのように豪快にこけた。直ぐ立ち上がったが、気恥ずかしさで、しょっぱい感じがした。
A 大丈夫?
B うん。ハックション。
すると、彼女の顔が僕の顔に急接近してきた。
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