第2章気がつけば、この、生活にも慣れました。

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向かった先はだだっ広い座敷のような所。その上座に席が設けられ、膳が据えられている。その前に誘導され、静かに席に着く。ーーーああ、なんだ、朝ごはんの時間だったわけね。と私は納得。そう言えば、昨日は学校で昼に弁当食べただけで、なにも後は口にしていなかったな、と思い出す。 やがてどこからともなくいい匂いが漂い始め、次々と盆を持った下働きの女達が現れ、手際よく膳の上に食べ物を配置していく。 やがて配置終えると皆一斉に頭を下げ、壁のほうにずりずりと下がっていく。 思わず、膳の上の食べ物を見て、目を見張った。 出てきたのは白いご飯に、お味噌汁に、卵焼、焼いた鮭らしき魚、香の物だったからだ。ーーーこれ、普段私が食べているのとあんまり変わらない食事内容だったのである。 食事の作法もなんら変わらなかたのも嬉しかった。『いただきます』 と言う藤乃さんの合図とに、輝久夜も続く。『今朝も美味しい食事がいただけて神々に感謝申し上げます。いただきます』と言う言葉を合図に、箸をつける。
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