第2章気がつけば、この、生活にも慣れました。

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私は目を見張った。ーーー美味しい??家で食べるより格段に美味しい??旅館で食べる朝ごはんみたい。と、思ったら。 (気に入ってくれてよかったわ。この味にするのに苦労したのよ。でも、まだまだ驚くことはたくさんあると思った方がいいわよ) と、久々に輝久夜の返事が。ーーー良かった~、忘れられたかと思った。 と、ほっと胸を撫で下ろした。 (忘れてないわよ、馬鹿ね。ただ、藤乃やみんながいる手前、貴女と会話できないじゃない。それこそ、独り言言ってる変な人に見えるわよ。藤乃当たり、速攻侍医を呼びに行くわね)と、ひょいと肩をすくめて言われてしまった。 ーーーぶっ、確かに。あの人だたら大騒ぎしそうだな。私は思わず心の中で吹き出した。 現に今も。 『姫さま、肩など動かしていかがなさいました?ーーーもしかして肩こりとか?』 とぶちかましてくれたのだ。 輝久夜の中で、遂に笑いが爆発する。 すると、輝久夜は苦笑しながら。 『魔物が肩凝るわけないでしょ~が。はい』 と、ごまかすように、ご飯の腕を差し出した。ーーーおお、お代わりするのね。ていうか、誤魔化しかたが堂に入っている。慣れてるわね、この人。
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