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終-2
皇城の裏手にある山は、緑深い山として有名だった。
迦楼羅が衝突した後、山にはさらに鬱蒼と木々や草花が生い茂っていた。一度迷い込んだら抜け出せないほどの深い緑だ。
そんな山を、刹琳はひるむことなく登っていた。
「お待ちください、刹琳さま!」
後を追いかけてくる鳳李の声に、刹琳はため息を吐く。
「鳳李、貴方は里へ帰りなさいとあれほどいったでしょう」
「そうは行きません! 鳳李はいつまでも刹琳さまと一緒にいます!」
鳳李は泥の付いた頬を拭い、木の根を這い登っている。
(まったく、可愛い顔をしていますが本当に頑固ですね)
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