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町から少し離れた森まで逃げたところで、廉は赤竜を着陸させた。
「ここまでくれば、心配ないでしょう」
赤竜が首を垂れると、廉は刹琳の手を引き地面に降りた。
「ありがとうございます」
刹琳は礼を述べながらも、視線は町の方を伺っていた。
「心配ありませんよ。あのような山賊に、天下の飛竜軍が負けることは万に一つもございませんから」
「しかし、どうして天翔様はあの者達が山賊だと気が付いたのでしょう?」
あの時、旅芸人に化けていた山賊と二、三言話しただけで天翔はその正体に気づいた。よく考えると、刹琳には不思議でたまらなかった。
「そうですね……。芸人たちの楽器や小道具を見る限り、使い込まれた形跡が全くありませんでした。それに、箱馬車も旅芸人の使用するものにしては、傷みがありませんでした。しかも、一昨日の晩、この辺り一帯に激しい雨が降ったというのに、馬車の車輪には泥はね一つありませんでした」
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