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「刹琳姫も私も怪我一つありませんよ。それよりも、天翔様もご無事でなによりです」 「あのような三下、飛竜を使うまでもなかったさ」  天翔は頭を下げる廉に笑って見せた。  天翔の無事を確認し、廉は表情を和らげると街の方へ目をやった。街からは人々のざわめきが聞こえる。 「――少々騒ぎすぎたようですね。どうしますか、天翔様」 「そうだな。買い出しも無事済んだことだし、町から早々に離れるぞ」  天翔が言うと、廉たちは飛竜に乗った。よく見ると飛竜たちの背には、大きな荷が幾つか積んである。 「では、今晩の宿へ向かうとしよう」  天翔は刹琳の手を取ると、奪うように口づけた。
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