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(うっ、無理……反則だろ、これ)
俺、もう我慢できない。
ふらりと顔を近づけた勝行は、その唇をなぞるように舐めると、隙間から舌を入れてお互いの気持ちいい場所を探り始めた。
「ンッ……ん、ふぅ……」
「……はっ……ひか、る……」
「ん……、もっと……っは……、……こっちも……」
さっきまであんなに偉そうだったくせに、与えられた甘いキスにあっさり溺れていく。
「首も? ……お前、ほんと好きだなコレ……」
「ぅ……ぁ、あん……っ」
悩殺スキルの高い掠れた喘ぎ声が耳元で厭らしく響き渡る。
こんな美少年の媚びた声を、姿を、毎日のように目の前で繰り広げられて平常心でいられるわけがない。意識するなという方が正直無理である。
丹念で濃厚なキスに蕩けきって、だんだん力尽きていく光の身体を腰から抱きかかえ、勝行はいつまでもその身体を撫でて温めた。
(かわいい、おれのひかる)
昨日の愚行の跡が消えてないのに、上塗りばかりが増えていく。
(あー……だめだ、またやっちゃった……)
明日はなんて言い訳しよう。
あれこれグルグル考えながらも、気づけば今日も光の身体中にキスしまくっている自分がいる。悪いことをしてる自覚はあるんだけど、やめられないのはなぜだろう。
これで明日も、言い訳だらけの誤魔化し優等生を演じるところから始まるのかと思うと、バカな自分に少々呆れてくる。
(ヤバいよな……もしかしたら、俺の方が実はキス魔なのかも)
性癖?
ふいにそんな言葉がよぎったけれど、それもきっとこの可愛い義弟のせいに違いない。
開き直ってそう思うことにした勝行は今宵も光を両腕で軽々と抱き上げ、ベッドへと連れて行った。
そんな勝行の腕の中で気持ちよさそうに眠りこけた光は、愛撫の痕を首筋につけたまま、とてつもなく幸せそうな寝顔を見せていた。
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