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(おお、改めて見るとけっこう腫れてるんだなー)
でも虫に刺された割にはあまり痒くないな……と思いながら、光は今宵もシャワーを終えて部屋に戻った。色白の痩せた身体のあちこち、二の腕にもお腹にも、赤い痕がまだ残っている。
正直なところ、割と直近に身覚えのある――凌辱された後の自分の身体に至極似ている気がした。あまり見ていて気持ちのいいものではない。暑いなと思いつつも、さっさとシャツを羽織ってしまうことにした。
自分と入れ違いで浴室に入る勝行は、最近やたらと入浴時間が長い。
ちょっと前までは、節水したいから一緒に入ろうと言えば、恥ずかしそうにしつつも裸同士で湯船に浸かり合った仲なのに。
(最近アイツおかしいよなー?)
ついぞこの前まではもっとこう、頭を寄せ合って笑いながら歌も歌ってくれていたのに、最近は自分から近づかない限り、向こうからはあまり触れてくれない。
なんだか急に、よそよそしくなったような――。
ふと不安に思いつつ、リビングのソファでゲームしながら勝行の戻りを待つ。
編曲作業をするからリビングで寝ると言っていたし、ここでおやすみのキスをしてもらう気満々である。
早くキスしたいなあ。
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