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「男女平等なんて誰が言い出したんだ!男は外で働き、女は家庭を守る!昔からそう決まってんだよ」
大勢のサラリーマンが集う駅前の大衆酒場。
会社帰りの三人のサラリーマンがカウンター席で並んで飲み明かしている。
上司が二人の若い部下を引き連れてきたようだ。
「課長!今時そんなこと言ってたら差別発言、セクハラで訴えられますよ」
「何言ってんだ!日本国はな、昔から男が支えてきたんだよ!男が戦場に行き、男がこの国を治めてきたんだ!」
上司の課長が若い部下に説教まがいの講釈を垂れている。
「課長、今日やけに荒れてんな。何かあったか?」
若い二人はコソコソと話し始める。
「ほら、今回の人事異動で営業企画部に大阪から女性の部長が転任してきたろ。早速今日その部長から一発喰らったみたいだぜ」
「なに二人でコソコソ話してんだ。女の腐ったヤツみたいに!」
「いえ!何でもないです。そーですよね、やっぱりこの社会は男が引っ張っていかないと」
若手の部下の男は慌ててその場を繕った。
「おう!因みにお前んとこはカミさんは専業主婦か?」
課長が部下に尋ねた。
「いえ、うちは共働きです」
「だって子供まだ小さかっただろ?」
「はい。まだ3歳です。だから今は保育園に通わせてますが・・・」
「ばかやろう!子供に寂しい思いをさせてどうすんだ。カミさんは家にいさせろ」
「いや、カミさんも昔からのキャリアがあるし、仕事を続けることは結婚する時からの約束だったんです」
「何がキャリアだ。この日本はな!俺たち男が築いてきたんだ!」
「はいはい。課長、飲んで飲んで」
今日も遅くまで付き合わされそうだど二人は諦めムードで酌を繰り返した。
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