第一章  男尊女卑

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夜も更け、閉店の時間になり終電車も近くなった。 真っ赤な顔をして三人が店から出てくる。 「いつもすいません、課長。ご馳走様でした」 「おう!二人とも気を付けてな!明日も頼むぞ!」 課長はかなり酔っぱらっているようだ。 この典型的な時代錯誤の男、名を岩澤アキラという。 御年40歳、中堅企業課長、家族は妻が1名、子供が先月に5歳になったばかりの娘が1名の三人暮らし。郊外の新興住宅街に25年ローンを組んでマイホームに住む、これまた絵に描いたような典型的なサラリーマンだ。 「大丈夫ですか課長?帰れます?」 「ばかやろう!これしきの酒、全然問題ないわ!」 「はいはい、お疲れ様でした。また明日!」 そう言うと部下の二人は課長と別れ、JRの駅へと向かった。 「しかし今時あんなアナクロイズムの人、まだいたんだな」 「ああ、生きた化石モンだな。ハハハ」 二人は笑いながら改札口へと消えていった。 アキラは二人とは路線が違い、5分ほど離れた私鉄の駅へと向かった。 「しっかし、ちょっと飲み過ぎたかな・・・終電間に合うかな?」 アキラは小走りに走り出す。 すると胃の中が急激に蹴られたような衝撃と食道に異物感が走る。 「うっ!!」 ・・・・・・・・☆☆☆☆★ 「しまったあ!駅員さんごめんなさい!」 今ので3分ほどロスをしてしまった。 「やっばいなあ。終電間に合うかなあ・・・」
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