誕生日

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母は準備を少しずつ進めて家を出ようと言った。理解しつつも私は一刻も早く家を出たかった。 母曰く鈍い人だから、気づかないと言っていたが、私は不安と恐怖心のせいか、もし勘付かれてしまったらどうしようという焦りで、常に不安定な状態であった。 一週間後 バイト帰りに母が父宛の封筒が届いたと言う。 住宅ローン未払いという内容らしく、母はローン会社に慌てて電話したそうだ。 詐欺を疑ったが未払いというのは事実らしく、一ヶ月滞納していたという。 最悪、差し押さえされていたかもしれないと思うと焦りと不安がまた募った。
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