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俺が不思議そうに首を傾げたのを見た夏鈴は、頬を染めながら説明した。
「私ね。実はあの時…他の事考えてたから、あんまり感じてなかったんだよね」
「…え?」
「だって、あんなシチュエーションで感じちゃったら、声抑えるの無理だなって思ったの。だからね、この前見た映画のことを思い出してたんだ。主人公がバンパイアにされちゃった苦悩の人生で…」
アレが…演技だったと?
この女…俺も騙されてた…?
「夏鈴てさ…罪深いよな。俺のこと、また煽ってるって自覚ある?」
「煽ってる? …煽るってなにを?」
何か焦ったように聞いてくる。ちょっと必死な夏鈴なんて珍しい。
「お前、男の事なにもわかってないのか?」
「晴馬の話はざっくりし過ぎてて、時々わからないんだもん」
「じゃ、天然なんだな。お前、俺によく手りゅう弾ぶち込んでくるしな」
「手りゅう弾?!」
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