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好きっていう気持ちが溢れると、どういうわけか勝手に涙が出てくる。
俺は泣くのが苦手だ。だけど、この涙はイヤじゃない。むしろ、俺が俺である証拠のようで少し嬉しい。嬉し泣き。
裸の夏鈴の身体の線をなぞるように撫でていると、またもや俺の下半身が元気に反応してくる。でも、落ち着け。
明日だって学校がある。時間はもう八時過ぎてるし…、そろそろご飯食べさせて家に送ってやらないとヤバい。
この甘い余韻の時間が名残惜しいが、俺は夏鈴を起こして服を着せてやった。時間がもうないからシャワーをやめて、ちゃんと綺麗に拭き取っておいたから問題ない。制服の皺はなんとか目立たない程度には伸びていた。
疲れたようにもたれかかってくる夏鈴の肩を抱きながら車に乗り込んで、シートベルトをしめてあげるときに軽いキスをしたら、夏鈴から俺の頭を掴まえてしっかりとした愛情たっぷりのキスをしてくれた。可愛い……女だな。
国道に出て最初の信号待ちのとき、ふと視線を向けた先に見知った顔がこっちを見ていた。
サーーーーっと血の気が引く寒さに襲われ……。
頭が白くなった。
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