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「変態教師だってバレたら、クビになるかも…」
「それは心配いらないよ」
妙に落ち着いた夏鈴が、俺のシフトレバーの手の上に小さな手を重ねて微笑んだ。
「だって、私達は婚約しているってことで説明すればいいし。ここは学区外だし、私は今月もう十八歳だし、何も問題もないでしょ?」
「…だよな?」
って、婚約?!
「ちょっ……待って! 婚約って…俺と、結婚前提で付き合ってくれてるって、思って良いの?」
「なにを今更…」
「だって、俺。悪い男だし…女の敵だったんだ…。自分勝手な男で、最低の嘘つき野郎で…」
「そんなに自分を虐めないって約束したでしょ? 晴馬はね、ちょっと弱かっただけ。悪い男じゃなくて、甘えるのが中途半端だっただけだよ。それに、相手の女性達が必ずしも晴馬のことを酷いとか悪いって思ってたかなんて、わからないでしょ?
世の中にはカッコいい男に抱かれるだけで素敵な記念が出来たって喜ぶ女の人もいるのよ」
驚いた。本当にお前、十八歳なの?
本当にお前…、この小さな町しか知らない、純朴な女子高生なの?
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