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「私は学校ではすっごく真面目な生徒なの。信用がある。晴馬だって、私と二人きり以外の時の顔は真面目な美術教師だから大丈夫。私達がきちんと婚約して、真面目な付き合いをしているって話せば、教頭先生ならわかってくれるよ。校長先生は私達の味方になってくれると思うし」
「…お、おう」
なんで大人の俺が十歳下の彼女に励まされているんだろう?
嗚呼、情けない…。
それに、夏鈴の言うことにとてつもない説得力を感じてぐうの音も出ない。
さっきまであんなに見悶えていた夏鈴と、今隣で落ち着いた思考を披露している夏鈴が、一人の人物になりにくい。
俺が今まで相手にしてきた女は、ただ欲望丸出しでセックス以外のことなんて考えてないような、刹那的な関係ばっかりだったせいもある。
そうだよ、俺。
夏鈴以外の女と普通の恋愛ごっこもしたことがないんだ。
ある意味、童貞だ…。
バカだな…俺。
「ね、晴馬。もう学校でエッチはおしまいね。普通の恋人同士だって週末まではお互いの生活があるのに、私達は毎日顔を見れるだけでも幸せなんだよ?
この小さな幸せもちゃんと味わって行こうよ。私は逃げたり隠れたりしないから。いつだって晴馬のこと一番に愛してる」
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