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「夏鈴。もう帰したくなくなっちまうから…。それ以上、俺を甘やかせるな。いいな?」
我慢強いところを見せたくなった俺は、気持ちを引き締めた。プロポーズの前に学校を説得するための言い訳を考えるとか、そんなの本当は悩むことじゃない。俺は不純な気持ちで夏鈴と付き合ってないんだ。堂々と交際宣言をして、他の生徒達に示しがつかないような破廉恥な行為は校内や学区内では禁止しよう。そうしよう。
幸い、俺達の居住地は学校から四十キロも離れている。家に帰れば好き放題恋人として過ごせるんだ。
目が覚めたよ。
「明日、学校には俺がちゃんと説明して理解を得るから。お腹空いてないか? 何か食べてから帰ろう」
「うん。じゃ、お任せするね」
「どっち?」
「???」
「ラーメンが良い? ファミレスが良い? それとも、俺が良い?」
夏鈴は苦笑いを浮かべて「ラーメン」と答えた。
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