俺の可愛い生徒

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「みんな、幸せそうだね」 「俺達も幸せだな」 「そうだね」  夏鈴はクスクスと笑う。  その笑い方がくすぐったくて、俺も変な笑い方になった。 「晴馬、気持ち悪い」 「気持ち悪い、言うな」 「だってぇ…」  フェンスの手前で抱きあった。強風の中、なびく彼女のポニーテールに顔をしばかれる。 「髪の毛が凶器なんですけど」 「あはは、ごめん」  夏鈴は髪を手で抑えた。その仕草がとても素敵で、キスをしてしまう。  観光地、何組もいるカップルの中に紛れて交わすキス。これはこれで楽しいもんだ。バカップルの仲間に入って、公共の面前で遠慮なくラブラブできるから。 「夏鈴、キスが上手くなったね」 「晴馬にされるがままだよ? 何もしてないよ…私は」
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