1章ー嘘と友にー

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オシャレな容器に入った香水ばかり、かわいいのもあるにはあるが女子高生が買うには大人すぎる気がする。 「カレンさん香水よく買うんですか?」 「ううん、買ったことない」 「え、そうなんですか?」 「ぅん、でも1個ぐらい持っとこぉと思って」 女の人って大変だな、どこからそんなお金が出てくるのだろう。 「でもわかんないからさぁ、友翔選んでよ」 「それ俺じゃなくてもいいんじゃ…」 「好きな人に選んでもらうからいいのに…察してよ」 「あっ…はは、頑張ります」 「ふふ、友翔の好きなやつでいぃからね」 自分の好きな香り探し兼、カレンさんの香水探しが始まる。目に入ったもの、気になったものを次から次へ嗅いでいく。 「うぅ、気持ち悪…」 カレンさんは笑いを堪えながら俺の身体を気遣ってくれた。 「ちょっと休んだらぁ?」 俺たち高校生が買える値段の物は残り少なかったのもあり、香水を嗅ぎ続けた。 「あー、でももうちょっとで。あ…!これ!これ好きです!」 今まで甘く濃いもの、花が強いもので酔っていたが、優しい石鹸の香りを嗅いで一気に癒されてしまったのだ。 「あー確かにいい匂ぃ、てっきり甘い方の選ぶと思った」 俺自身も甘い香りは良かったが、濃くてこれじゃない感があった。 「正直もう鼻が限界なんです」 「ぁははは、ぁー。ありがと選んでくれて」 俺は選んだ香水をレジへ持っていき、そのまま会計を済ます。 「あ、私出すのに」 「いえ、俺の好きなやつですし」 香水を片手に、そろそろ映画が始まる時間なので映画館へ向う。「手が汚れる」とカレンさんはポップコーンを買わず飲み物だけにしようと提案してくれた。俺も上映中はあまり手をつけず、よく余らせていたからありがたい。 「なんかドキドキするよねぇ、映画って」 「あーわかります。ってカレンさん携帯ちゃんと切るんですね」 「当然!私、マジメだから!」 「はいはい。あ、始まりますよ」 場内は暗くなり、この前語ってくれた話を思い出しながら映画を楽しんだ。辺りは当然カップルだらけ、作品を観ながらこんな恋愛をしたいと思っているのだろうか。思っていてほしいな。みんなは幸せになってくれ。
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