1章ー嘘と友にー

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「面白かったぁ!」 「良かったですねーあれはー!」 映画館からすぐ近くのファミレスで昼食を取りながら、映画の良かった所を話し合う。学園ラブコメだったこともあり、話は自分たちの学校と映画の学校の比較話に派生していった。 「実際、屋上なんて閉まってますからね」 「ほんとそれぇ!あとあんなかっこいい先生いなぃ」 「そういえば、うち化粧良かったですよね」 「ぅん、髪も派手過ぎなきゃ染めていぃんだけど、制服は着崩しちゃダメなんだよねぇ。ちょっとスカート短くしたらすぐ指導されてさぁ」 「間山先生ですか?」 「そぅ!あれ?知ってるの?」 「あの人、生徒会に入ってくれってうるさくて」 「友翔似合いそうだもんねぇ」 「堅そうだからやりたくないです、でも聞かないんですよね」 「わかるぅ、あいつ人の話聞かないよねぇ」 愚痴は続き、長くなりそうだったので半ば強引に話を打ち切って店を出る。店を出て周囲にゆっくりできる場所があるか探索しながら歩き出す。話は深く、互いの話へ。 「ねぇ、どうして恋人作らないの?」 「聞いてどうするんですか」 「ん?わかるくせに」 「俺じゃなくても、カレンさんならモテるでしょ」 「友翔がいぃの。ちゃんと私を見てくれそうだから」 「今までの人は見てくれなかったんですか」 「結局は顔と体だよ。誰かと付き合ってる人は特に。」 「カレンさん、それは…」 「1回だけだよ?他はない。と思う…」 嘘をついてはなさそうだが、あの噂のこともあり、俺は真相を知るべく尋ねてみた。 「カレンさんは付き合った人って何人ぐらいなんですか?」 「えぇっと…20人ぐらいかな」 うん。まあ確かに多いが、噂のせいで少なく感じてしまう。 モテる高校生なら十分ありえる数だ。でも、それなら俺に告白してきたのは何でだ。最初見た時、俺と似て1人に怯えているように見えたが、今は何か隠そうと…。 「友翔、私の事好き?」
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