1章ー告げ彼らー

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教室に着くとスマホを握りしめて今にも泣きだしそうなミユがいた。ミユはそのスマホに映るタクミとカレンさんがカフェで話している写真をコメント付きでSNSにアップされた画面を見せ、震えた声で尋ねた。 「ミーくん…これ…」 「あぁ、これはな…」 とタクミはつらつらとそこに至るまでの経緯を話し始め、「あいつがな」と俺を指差しては説明を続けている。ミユの友達は「絶対うそ」「マジクズ」と罵声を浴びせているが、タクミは気にせず「てわけだ、おけ?」とミユ聞き、「うん、おけ。全部ナルくんが悪い」と笑顔で俺を指差し…ては? 「おいおい、俺のせいかよ!」 「ナルくんがわるーい!」 「俺はちゃんと説明したからなー」 これなら俺居なくても良かったじゃん。ミユ物分りよすぎじゃないですか。 「どうせそんなことだろうと思ってたけど周りがめっちゃ言ってくるから心配になっちゃったよ」 「連絡入れなかったのはほんと悪いと思ってる。でもそんな大事になるとはな」 誤解は解けたようで、タクミは誰がこの写真を撮ったのか、カレンさんが女子内でどのような扱いを受けているのか後ろにいるミユの友達に尋ねている。するとミユが…。 「ほんと、朝からお姉ちゃんもすごい怒ってたし」 とそれを聞いたタクミは途端に顔色を変え、「先輩何組だ?」とミユに聞き、すぐ俺の方へ向かってくる。 「ナル、急いだ方がいい…気がする。予想が当たってたら取り返しがつかない」 「お、おいどうしたんだよ?」 「三島先輩だよ。みんなに嫌われてる人が大切な妹の彼氏取ろうとしたんだ、文句ぐらい言われるだろ」 「それがどうし…」 タクミは俺よりカレンさんに詳しいのだろう。それが何故かは今はわからないが、友達がこんなにも焦って不安になっているのを見過ごすわけにはいかない。 「はぁ…わかった行こう」 「よし、助かる。美結も一緒に来てくれ!あ、2人は来るなよ、美結だけ。お姉ちゃんに会って説明してほしいからな」 「うん、行くー」 3年生は俺達2年の1つ上の階にクラスがある。階段を1つ上がるとカレンさんがいるクラスの前にカバンを持って中に入るのを躊躇っている人達がいた。
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