0人が本棚に入れています
本棚に追加
ある人はスマホを触り、ある人は教室を覗いては怯えている。
「教室入らないんですか?」
俺はスマホを触る3年生に話しかけると顎で教室を指され、そのまま中を覗くと中央に座るカレンさんを囲うように3人の女子生徒がおり、他の生徒は後ろでクスクス笑いを堪えながらも少し怯えている様子。3人は罵倒を浴びせながら机を蹴り、カレンさんは腕と顔を伏せながら机に足を絡ませ押さえつけている。少し前に同じ姿勢で寝てる(?)人いるけどあれは起きてるな。
「おい聞いてんのかよ。ナァ?」
「人の彼氏取ってほんとクズだな、死ねよカス」
「気分悪いから学校来ないでよ、早く出てけよ!」
どうして誰も止めない。見てて楽しいのかこの人たちは。確かに珍しいと思う、実際生で見れることなんてこの先ないだろう。でもそれなら、何もしなかった人がどういう扱いをされるのか分かるんじゃないのか。
「すみません、三島香恋さんって人探してるんですけど、あ、なんか話してました?ちょっと借りますね」
俺はカレンさんの腕を取り、教室を出ようとするが当然道を塞がれる。
「はぁ?あんた誰、関係ないのに何?キモッ」
「こっちだって間山先生に連れて来いって言われてるだけなんでそっち都合とか知りませんよ。何ですか一緒に来ますか?」
「…そんな嘘ついてかっこいいと思ってんの?マジキモイだけだからどっか行ってくんない」
先ほどより覇気がなくなり、俺はもう一押しするため、スマホを取り出すしここに来てからの発言と行動を録画した映像見せる。
「あれ、これの説明しなくていいんですか?」
俺は殴られる前にスマホを山なりに相手へ投げ、視線がスマホに向いている間にカレンさんの腕を引っ張り勢いよく教室を出た。
「あとは任せるぞ」
「おう、助かったよ。ナル」
タクミとミユは俺と入れ替わるように教室へ入っていった。俺はこれからどうしようか、「とりあえず、休める所、そうだ保健室へ行こう」と行き先を決めていると掴んだ腕がほどかれてしまう。
「…い、痛い離…て。…なんで、こんな…とす…の」
涙でメイクは崩れ、心も体もボロボロでまともに話せなもしないの…。
「そんなこと聞いてどうするんですか。困ってる友達助けて悪いですか。ま、困ってなくてもあれは止めに入りますけどね。文句なら後でいくらでも聞きますから今は休んでください」
最初のコメントを投稿しよう!