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1章ー嘘と友にー
告白を受けての翌日、今日もタクミと皆川と共に登校していた。
「ナル、昨日はどうだった?」
「んー想像してたよりは平和だったかな」
「なんだそれ」
「ナルくん振っちゃったのー?かわいそー」
振った方が悪く言われるのおかしくない?俺何も悪いことしてないのに。してないよな。あの後、何も連絡が来なかったのが少し気になる。シャイな人だったのか、俺から連絡してみようと思いスマホを手に取ると。
「おっはよぉユウト!」
勢いよく肩を叩かれ、振り返るとそこには見知らぬ茶髪ギャルがいた。
「おは…よってどちら様?」
「えぇ昨日会ったじゃん、三島かぁれぇん!忘れちゃったの?悲しいなぁ、勇気出して告白したのになぁ、あ!お友達もおはよぉ!」
あー三島香恋さん。て、いやいや、髪も顔もキャラも全然違うんですけど。
「一緒に…行きたかったけど、今日はいいかな。じゃ、また後でねぇユウト!」
嵐のようなできごとは本当に突然やってくるだと、俺は三島さんの背中を目で追うことしかできなかった。嵐に巻き込まれたタクミが少し引き気味に尋ねる。
「ナル、あれが昨日の人?」
自分自身も信じれない光景だったが素直に応える。
「ああ。昨日の人だ。」
俺は何が起きているのか少しずつ整理していき、ふと疑問に思ったことをタクミに尋ねる。
「女の人って1日であんなに変わるもんなのか?」
「いや知らねぇよ。どうなの?女の人?」
皆川が少し考え込んでから話し出す。
「んーどうかなー。まぁカレンちゃんだしね」
「知り合いなの?」
「うん、お姉ちゃんが同じクラスでよく家に遊びにきてたから」
相槌をうちながら今は来てないのかと思い、話を続けてもらった。
「それに、変な噂もあるって割と有名人だと思うよ」
そういう噂話って男子に届かないこと結構あるんだよな。もっと教えてください女の子。男子だって知る権利はある。
「噂って?」
「なんでも100人以上の人と付き合ったことがあるとか!」
まさに噂らしい噂だった。するとタクミは目線を上げ、つぶやく。
「ふーん、そんな人ならナルも付き合ってもらえよ。いい機会だろ」
付き合い出してから何かと付き合わせようしてくるタクミに俺は呆れてため息をつく。
「はぁ…タクミはしつこいな」
「お前もな。美結もナルが誰かと付き合ってるの見たいよな?」
「うん見たーい」
「勘弁してくれ…」
噂は信じていないがあの変わりようから、三島さんには気をつけた方がいいだろう。
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