1章ー嘘と友にー

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「あ、これ以上はネタバレになっちゃう…」 「全然、ネタバレ気にしないですよ」 「ほんとぉ?じゃぁ…」 話は止まらず昼休みはひたすらカレンさんの話を聞いていた。にしても、タクミのやつトイレ長くない?もしかして…。 「カレンさん、そろそろ昼休み終わりますよ」 「あ、ほんとだぁ。また時間とか場所とかは連絡するねぇ、バイバァィ」 カレンさんが教室を出るとすぐ満足そうにタクミがトイレから戻ってきた。 「長いトイレだったな」 「そうなんだよ、なかなか出なくてさ。で、デート行くんだろ?楽しみだな!」 「最初から聞いてたのか…そこまでするか普通」 頭を抱える俺を見てニヤニヤするタクミはさらに追い討ちをかけてくる。 「当日俺も行って観察しようかと思ったんだがその日は試合があるんだよ、悪いな」 「いや来なくていいから、200mだっけ?頑張れよ」 タクミは陸上部に所属しており割と強いらしい。たまに走り方とかを聞くが何を言ってるかわからないからすごさがピンとこない。とりあえず、上半身を鍛えればいいとかなんとか。 「おう、お前も頑張って、良ければ付き合っちゃえよ」 「それはない、映画観て帰るよ」 溜め息と同時にチャイムが鳴り、食堂にいた人達がぞろぞろと戻ってくる。その間にスマホを開き、みんなの呟きを一通り覗いていく。すると通知がなり、カレンさんから「楽しみにしてるね?」とメッセージが送られてきた。 「これは大変な人に目をつけられたな…はは…」 今さら自分が置かれている現状を把握し、笑えるぐらい流されてたことを振り返る。気を抜くと危ない、そう自分に言い聞かせ授業に集中するために瞼をゆっくり閉じた。 当然そのまま寝落ちしたわけで。まあ数学だったし後でタクミに教えてもらうとしよう。残りの授業はしっかりと受け、これから帰宅、なのだが…。 「はぁ…帰りたくない」 今日もアイツが、姉が帰ってくると思うと。 「ほらほら帰宅部さっさと帰れ」 「タクミー今日だけサボって泊めてくれー」 「昼の応援はなんだったんだ…今日は田中とリレー合わすから休めないんだよ」 「え!?マジでやんの!!」 「そろそろやんねぇと怒られんだろ、おら行くぞ」 「うわぁあああ!成谷ぁああ助けてくれ!!」 「田中ぁー!!」
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