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プライベートを混ぜ過ぎたかと、さすがに戸隠は反省したが、すぐに気が重くなった。
だって、二人きりの時にこんな話題を振っても、誤魔化されて終わりじゃないか。
さっき以上に煙に巻いて、まともに人の話なんて聞いてくれないくせに。
「お前がすぐに発情して鼻息荒く押し倒してくるのが悪いんだろ」
だってそれは次長が色っぽすぎるから!
俺のことからかって、あんな流し目向けるのが悪いんだあ!
俺ら、休みに何をするわけでもないし、ただセックスして、飯食って、テレビ見て、次長本読んで、それが色っぽくてまたセックスして! それだけ!
「それの何が悪いんだよ。それじゃ付き合ってるって言わねえってのか?」
「俺の妄想声に出てましたか!?」
「お前のような猪突猛進の天然馬鹿の部下、どんだけリスクあると思ってんだ。しかもノンケだった奴。清水どころか投入堂から飛び降りる覚悟で受け入れたってのに」
「な、投入堂……。辿り着くまでも大変ですね」
「お前は欲望全開にしてフンフン言ってただけだけど、こっちはもう、いつだって綱渡り状態だったんだよ」
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