シチュエーションラブ

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 真面目な男は、何を言われているのか分からないようだった。 「何言ってんだ?」  素直に意味を訊いてくる。 「いや、たとえば。あんたが高校の体育教師で、俺が生徒ってシチュエーションよ。真面目で生徒に慕われている野球部顧問が、色っぽくて自堕落で反抗的な生徒に誘惑されるの。どお?」 「どおじゃねーよ。お前、また何いきなり言い出した? あれだな? またマンガだな?」 「この頃はネットカフェにもBLが充実していてな……」 「お前がどんなマンガを読もうと構わんが、影響を俺にまで及ぼすのは止めろ。あと、これ以上この六畳一間にマンガを持ち込むのは止めろ」 「マンガを馬鹿にするなあ!」  彼は立ち上がった。 「俺が、日本文化を正しく理解できたのも、マンガのおかげだ!」 「絶対正しくないと思うが……」 「ていうか、ちょっと、イメクラだと思ってやってみよう。俺、制服着るから」 「それどこから買ってきた!」 「ドン●は便利な店だよな。俺の国もさ、マッ●より先にドン●入れるべきだったんだよ」 「嘘つけ、そんなリアルな男子高校制服がいくらドン●でも売っているはず……」     
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