ねんねんねこねこ

6/17

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
 ベッドに向き直って飛ぼうとしたら、勝手に尻が揺れた。いや、尻尾でバランスをとったのか? なんにせよ、ベッドには上がれた。上がれたら、安心したのか眠気に襲われた。ので、寝た。  目が覚めた時、まだ手は肉球だった。目を擦ろうとしたら肉球だった。と言うか、無意識に顔を洗っていた、猫のやり方で。伸びをすれば、一気に目は覚め、腹も鳴る。ベッドの上から部屋を俯瞰。カリカリは時間が来て機械から放り出された様だ。  猫カリカリ。総合栄養食ではあるが、水分の少ない飯。食べてみた人間が無表情になるらしき飯。だが、今は無性に食べたい。体が猫カリカリを求めている。  ベッドを下り、猫カリカリの元へ。先ずは一口。程良い固さに魚介の旨み。ただ、喉が渇く。横に在る水入れから水を飲む。人間って、水分を摂るのに便利な体をしていたんだな。舌で掬ってもそんなに飲めない。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加