舌足らずと通り雨

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自分が、自分に課す(ゆがんだ)ハードルが、書いてると上がって行った。 それは、とても不遜なハードルである。分かっちゃいるが、どうしたって、ソレはせり上がっていく。 私、小説を書いてミヨ、と思い立ったのが一年前。いま私は三十代の前半だが、それまで書くことはオロカ、小説、マトモに読んだことすらない。一年前に、夏目漱石『こころ』を読んで、お、これは。とナンだか小説を書きたくなった。 そんなド素人なのにたった一年書いたくらいで、もう、歪んだハードルがガチガチに出来上がってしまった。下手の横好き、ワズ、ボーン、である。 そうすると、即興で連載していくという形式が、全くもって出来なくなった。推敲という手間が、絶対的に必要になってしまった。書き出しは、二割で、推敲が八割。 私は頭の回転がニブく、書き出しの時点で縦横無尽に機転を利かせて話を進めることは、ムリ。圧倒的な引き出しの少なさ、というのもある。 そうすると、自ずとこう思う。これだけ推敲の手間をかけるくらいなら、文芸誌に応募しよう。
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